今週の舞族 即響舞踏 一発稽古 vor73
今週の舞族 即響舞踏 一発稽古 vor73
『舞踏病棟入所時に記されし譜』
「踏病夜」
幾千年も昔のままの〈私〉を引き摺っている舞踏手は
〈私〉を解体しようとする
それこそが彼の破綻であり、未成熟な証拠やもしれぬ
しかし、彼の脅迫観念は絶対的であり、その翼は情熱的である
意識と想像力こそが皮膚にもまさる拘束衣である舞踏手にとって
それらを脱ぎ捨てた彼方にある恩寵の懐で蹂躙されんことが必死の道である
脱皮の姿勢はそのための装いとなる
目覚めてからこれまでに費やした時間の体積が
層から平面に移行する
はじまりはいつも横並びの白さである
彼は分別の門をくぐりぬけ、葛藤の海に溺れる
いつしか恥知らずの肉体とどこまでも臆病な精神を煽って
興奮から戦慄の方向へ風が吹く
風はすぐにも停滞と保守へ変身する日常的安堵の連続性を断つ強度の刺激となって
定かでない雰囲気を招き寄せる言葉と身体の遅さのなかから
実体のない流線を紡ぎ出す
流線は存在をやすやすと透り抜け
色そのものに埋没しては、突如
無きものを有るが如く引き裂きながら乱舞する
さらに呼吸の間合いが虚空の襞に刻まれ律動(リズム)となる
多分律動(リズム)とは〝出会い”の本質である
そして流線は〝眼差し“と言う心の紋様と重なる
それらが互いに交じり合う波紋が〈形姿〉である
〈形姿〉は常に見るもの(他者)がその造型に関わることで成立する
精神と物質が分化する以前の概念の郷愁に被われながら
なお〈我と汝〉を責め立てる舞踏手の構えはあまりに無防備であり、無残である
それは私的権力者たちの栄光に対する羨望と
眠りをむさぼるその奴隷たちの安易さと恐怖の
依存関係を葬らんがための無残である
しかし、彼の隣の次元では
誰にもわからないように祈りが溶けてゆく
誰にもわからないように魔術師が笑っている
光の滴が夜に吸い込まれていくように
舞踏手の〈私〉も… … … … …
舞人:高橋実
2022/6/30(木) @からだはうす
からだはうすHP
https://karadahause-mitaka.amebaownd.com
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からだはうす@三鷹では毎週「即響舞踏」踊る瞑想教室をおこなっています。
踊ることを一種の「瞑想行」として捉える舞踏塾です。
既成のポーズや踊り方を学ぶのではなく、ましてや自己陶酔するのでもなく、自由に動きながらも「私」という宇宙に集注する。
そこに誕生する存在の相貌をダンスとして、祈りとして、贈り物として成り立たせようとするものです。
踊りの経験は問いません。はじめての方でも参加できます。
日時: 毎週木曜日19:00~21:00
参加費: 1回 2750円 / 回数券10回 22,000円
舞踏HP
【動きやすい服装をご用意ください。】
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